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メタル、ハードコア系のジャンルだとギターの処理が曲の印象を決めるといっても良いと思います。ミキシング段階ではどういった処理をすると良いのか試行錯誤を重ねたので、ここまでの結論をまとめました。

基本は録り音が大事

いきなり元も子もないですが、8割くらいは録り又はアンプシミュレーターの段階で決まると思います。

基本的な音作りはドンシャリかミドル重視かといった感じ。

ざっくりですがオールドスクールな音ならドンシャリ、モダンな音ならミドル重視かなと思います。

録りの段階で音が決まっていないとそれをミキシングで後から修正するのは結構厳しいです。

どうしても一度録り終えた後の音が完成イメージと剥離している場合などやむを得ない場合もありますが基本は音作りの段階でしっかり作りこみましょう。

▶バンド系DTMerは、プラグインよりも録り音にこだわろう

ローカット

これは必須と言っていいと思います。

ギターは中音楽器なので低域は不要ですが、録り音の段階では不要な低域が含まれていますので、適宜カットします。

大体100hzあたりを目安に、質感や他パートとのバランスを考えてカットしていくと良いと思います。ジャンルによっても変わってくると思いますが、メタルハードコア系の深くひずませたギターをスッキリ聴かせるためには思い切ってカットするのが大事。

自分は200hzあたりからシェルビングを入れて(後述)100hzあたりからバッサリ行くことが多いです。Djentとかだと200hzかそれより上からバッサリ行くこともあるようです。

ベースとの被りを緩和

200hzあたりからシェルビングを入れるのはこのため。2dbくらい落してやるだけでもベースがしっかり聴こえてくるようになります。

ただしもしスカスカになってしまう場合はやめておきましょう。

ハイカット or ブースト

ギターは中音楽器なので、超高域に関しても特に必要ではありません。大体10khzあたりから上はノイズ成分なのでカットしてしまっても問題ないです。

ここをカットするとタイトな締まりのある音に。逆に残す又はブーストするのもありで、そうすると壁感、広がり感が出ます。

ハードコア系のタイトなパンチ力がほしい場合はカット、ポストブラックメタルとかシューゲイザー要素が入る系ではブーストしても良いかもしれません。ただしブーストはやりすぎ注意。

その他EQ

どうしても調整が必要な際に弄ることになると思います。帯域ごとに特徴を書いてみます。

~100hz
箱鳴り。メタルハードコア系ではカット推奨。

100~200hz
低域の量感。ベースと被るので削っても良い。

250hzあたり
モコモコしている場合はこの辺をカットするとスッキリする。

500hzあたり
ドンシャリにしたい場合はこの辺を中心にして広めに削る。

1khzあたり
ギターのおいしいミドル。モダン系の音だとしっかり出ていることが多い。鬼ブーストするとDjent系の機械的な音になる(あとObey The Braveの1stもここを鬼ブーストしてると思う

2khz台
中高域のノイズがいたりすることがあるので見つけたらカット。
飛澤正人さんの動画にて2.2khzと2.5khzをピンポイントでカットすると膜が取れたようにスッキリするよーと紹介されていましたが、確かにカットしたらゴァァーっていうノイズ感が取れてスッキリしました。

4~5khz
高域のおいしいところ。キレをしっかり出したいときやブラックメタルとかで刺々しい音にしたいときはブーストすると良し。

6~8khz
痛い場合はディエッサーとかで抑えてやると良いかも。

10khz~
ホワイトノイズ成分。前述のとおりカットするのか出すのかで結構雰囲気変わる。

コンプレッサー

歪んでいる時点でコンプが掛かっているようなものらしいし、録り音の波形を見ても大体察しが付くと思いますが無理にかけなくて良いと思います。

ただそれでももう少しダイナミクスを均したい、という時はあると思うので、そういう時はリダクション量-2dbくらいで軽めにかけておくと良いと思います。

かけるコンプの種類は基本的に1176系で良いんじゃないですかね。オプト系でも良いと思います。

あとは重ねたギタートラックをまとめたバストラックにバスコンプをうっすら掛けると結構まとまるのでこれは推奨。ただしホントうっすらですが。

ブリッジミュートの処理

ブリッジミュートでズンズンやるとローがめっちゃ膨らみます。

このままにしておくとベースやキックが埋もれてしまうのでブリッジミュート時だけ低音をおさえる処理をしたりします。

基本的なやり方ですが、マルチバンドコンプかダイナミックEQを使って200~250hz以下を、ブリッジミュートした時だけスレッショルドが当たるようにします。

個人的にはダイナミックEQで3db位リダクションされるように設定してやると丁度良いかなと思っています。(※あくまで音を聞きながら判断すべきです)

この辺りのテクニックは「Andy Sneap C4」などでググると出てきます。

M/S処理

ギターをガッツリ前に出すにあたって必須かなと思います。

シングルトラックの場合でもコピペして左右に振り分けてM/S処理すべきです。(※その際全くのコピペだと意味ないので微妙にずらしたりEQ等の設定を変えましょう)

ここで何をやるかというと、

  • mid/sideの音量調整
  • EQ調整

ですね。逆にそれ以外はやらない方が良いと思います。

音量調整はmidを下げてsideを上げる感じ。

この際使うプラグインは Waves の Center 推奨で、これが最も自然にできると思います。もしくは、UXのベクトルが若干違いますが DeeWider ですね。

ギターのバストラックと、バンドオケ全体のバストラックでそれぞれ少しづつやると良い感じです。

とりあえずやりすぎると音量だけでかくてペラッペラになるのと、モノラルで再生されたときにギターがいなくなるのでそこは注意が必要です。

EQに関しては必要に応じてで良いと思いますが、例えばside側のローエンドやハイエンドのカットを強めにするとスッキリしたり、壁作りたければ逆にsideのハイエンドをブーストしたり、後は他パートとの兼ね合いで、例えばボーカルを出すためにmidのミドルを若干削ったりなどの微調整など。

まとめ

ざっと書いてみました。色々項目がありますが、全体的に言えることは各処理をやりすぎないことと、やっぱ録り音が大事で、録り音がしっかりしていれば余計な処理はしなくて良い筈です。

ミキシングで出来ることは基本的に他の楽器との兼ね合いや全体で見たバランスの調整だと思います。ギターをガッツリ出しつつ、且つ他のパートもしっかり聴こえるようにしつつ、みたいな。

今のところ分かってきたことをまとめましたが今後も研究を続けていきたい次第です。

おすすめプラグイン

私も愛用しているおすすめのプラグインはこちらです。Waves CenterはDiamondにバンドルされています。Ozoneは、Advancedを買うとミキシングにもガンガン使えて、特にM/S EQが良い感じです。

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