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DTMでバンド曲を作る際、ギター打ち込みの是非については何となくフェイク扱いというか、NGな風潮を感じます。それはなぜなのか、また実際のところはどうなのでしょうか。その辺りについて、私なりの意見をまとめました。

バンドマン特有の偏見

バンドをやったことのある方なら気になったことがある人も多いのではないでしょうか。そこに行ってもありますよねいろいろ、バンドマン特有の謎の理論が。

ギターにしろドラムにしろ打ち込みはダサいとか、宅録や自宅ミックスはダサいとか、同期はダサいとか。。

古典的な美学とでも言いましょうか。実際にバンド活動をしているとこのような意見を聞くことが多いです。

余談ですが、アンダーグラウンドな世界で活動していると、素人レベルのレコーディングスタジオも結構あります。それが悪いわけではないのですが、そういう(良くも悪くも品質の天井が見えている)所に高いお金を払ってやることを、私の出来ること対して「ちゃんとやる」と表現されたときは、何だかなぁという気はしました。(確かに自分はちゃんとしてないかもしれませんが…)

少しそれましたがしかし、その古典的な美学が絶対的な真実なのでしょうか。その根拠はどこにあるのでしょうか。

ダサいかどうかはその人次第

音楽の良し悪しは個人の主観による部分が殆どなのではないかと思います。

要は、打ち込みをダサいと言っている人には言わせておけば良いのです。そういう人は、打ち込みだと気づかなければ高評価だったりしますしね。笑

ギターの打ち込みは難しい

とはいえ、実際問題ギターの打ち込みをそれっぽく作るのは難しく、クオリティには注意をする必要があります。実物の楽器の演奏を再現するという特性上、良いものを作るには所謂「打ち込み臭さ」は払拭していくべきでしょう。

この辺り、ギターを打ち込みで作り、作品レベルに仕上げるのは簡単ではないように思います。ギターに関しては、打ち込み特有のデメリット、打ち込み臭さ的な部分が特に表れやすい領域なのではないかと個人的には思っています。

私自身も、今のところはギターを打ち込みで完結させるのは自分の技術では難しいと感じてはいます。。後述しますが、私は録音物と混ぜて使っています。

その理由は下記のような感じです。

リズムが正確すぎる

打ち込みによる機械的で正確なリズムは、あまりギターのノリや雰囲気を出すのには相性が良くないように思います。ベースだと意外と気にならなかったりするのですが…。

Djent系など、敢えて機械的で冷たい質感を狙うスタイルであれば多少は活かせるかもしれませんが、どちらにしても打ち込み臭さが出やすいポイントのひとつであると思います。

細かいところの表現が難しい

ブリッジミュートやストラミング、FX的な奏法などは、実際に演奏して録音したものとの違いが出やすい点です。

この辺りは、少なくともベタ打ちではどうにもなりにくい部分であり、それっぽくなるように細かく調整を入れていくのに膨大な時間がかかるはずです。

結局ギターの知識が必要

それらしい雰囲気に仕上げるには結局のところギターに関する知識は必要になってきます。

打ち込みのメリット

先にデメリットを書いてしまいましたが、当然メリットもありますよ。

後で直せる

打ち込みの最大の強みかなと思います。

録音したトラックのフレーズ変えたい時は録り直すしかないと思いますが、打ち込みはMIDIまま管理をしている段階では、後からいくらでも修正が効きます。これはやってみるとわかりますが、製作段階においては非常に強みに成り得るポイントだと思います。

音質

大抵の場合、我々素人の宅録DTM環境と比べて、単純な音質や解像度感といった面では打ち込み音源が勝ると思います。

それもそのはず、打ち込み音源は基本的に、プロが然るべき環境で録音したものですからね。(物理モデリング音源はものによりけり)

自分では出来ない演奏が出来る

奏法によっては習得するのに膨大な努力と時間を要するものもありますよね。

そういったものも、もし打ち込みで再現が可能であれば、楽曲製作面では有利に働くのではないでしょうか。極端な話、ちょっと1曲作りたいだけなのに、1日4時間×2年練習しました、とか非効率ですよね。

学習コストが低い

打ち込みの方が全体的に学習コストが低いと思います。

普段余裕で弾いているようなフレーズでもレコーディングしてみると意外としっくりこなくて何回もやり直したり練習し直したり…ということもありますし、上記「自分では出来ない演奏が出来る」項で述べていることに関しても然り。

打ち込みの練習をした方が色々早かったりすることは往々にしてあります。楽しいかどうかはまた別問題ですが…。

音作りに関しては、殆どのソフト音源は最初から製品レベルですので、自分で(それなりな機材と知識で)作るのではなかなか持っていけないクオリティにデフォルトでなっています。

結論:ダメなはずがない

打ち込みギターを使って作品を作ったら規約に違反してBANされる、逮捕される…当然そんなバカげたことはありません。

アプローチ方法に正解はありません。上記のように難しい部分もありますが、もしそれで良い作品が作れるなら積極的に使用をしていく価値はあると思います。

あとは少なくとも、偏見を鵜呑みにする価値はありません。

目的を明確に

付随して大事だと思う点がもう一点あります。

曲を作ることが目的なのか、バンド活動や楽器の演奏そのものが目的なのか、それによっても目線は変わってきます。

楽器の演奏が目的のであれば、打ち込みはフェイクでしかないと思いますが、楽曲製作が目的であれば、打ち込みは有効な手札の一つといえるでしょう。

目的を明確にして、目的に応じた良い選択肢をとれるようにしたいですね。

私の場合

最後に私の打ち込みギターの紹介して終わろうと思います。打ち込みで完結こそしていませんが、私にとっては打ち込みギターは必要なものです。

製作段階では全て打ち込み

後から直せるという利点を最大限活用して、曲作りの段階では完全に打ち込みで行っています。

ギターを弾きながらそれをMIDIに起こすという一見非効率な作業になりますが、アレンジを詰めていく段階で細かいところは変わっていくので、FIXしてから初めて録音する方が最終的には効率が良くなります。

サブトラックとして重ねる

そうして、打ち込みでFIXしたデータは、細かい奏法の調整などを行った上でオーディオに書き出し、本チャンにも使用します。

使用用途としては、録音したものをメイン、打ち込みをサブとして重ねます。具体的には、4本重ねる際に、外側2本(LR100)を自分で弾き、内側2本(LR75~80)に外側のマイナス3~6dbで打ち込みデータを配置します。そして外側より若干歪みを抑えます。

これは、重ね録りで何度も録音するのが面倒というのもありますが、サブトラックに歪みを抑えた打ち込みを用いることで、重ねて厚みを出しつつもリフの輪郭を担保できるのです。

厚みを出すのに打ち込みの高解像度な音が、輪郭を担保するのに正確無比なリズムが一役買っているというわけです。なお、上記のバランスで重ねると、打ち込みの質感が前面に表れてくることはなく、このおいしいポイントのみを使える、というわけです。

バンド活動のサンプル曲制作

Lostmortalの活動ではないですが、バンド活動で「新曲できたよ~」ってメンバーに持っていく曲は全部打ち込みで作っています。

その曲をやる際は実際にみんなで演奏することになるので、イメージが伝わればデモの段階での細かい質感はこだわる必要がないというのと、フィードバックを得て修正を入れる可能性もあるからです。理解のあるバンド活動は楽しいですね。

さいごに

私が所持しているギター音源を比較してみたので、よかったらこちらも併せてご覧ください。

▶【ギター音源】Shreddage 2 と Electri6ity を比較してみた

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