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低域の処理って難しいですよね。バンドもので低域といえばバスドラムとエレキベースですが、コツを掴んできちんと棲み分けてやることで残念ミックスを回避できますので、私なりの方法を紹介します。

バスドラムについて

まずバスドラム(キックともいう)について見ていきたいと思います。

下図は、私のとある楽曲で使用しているバスドラムの帯域になりますが、こちらを資料としながら進めていきます。

帯域の最も下を担う

恐らくバンドアンサンブルにおける基本的なスタイルですが、バスドラムが全楽器で最も下の帯域を担うようにします。

具体的には、可聴帯域ギリギリの 60hz 台をピークに持ってくるようにすると良いと思います。

図でも 60hz 台後半にピークが来ています。

中低域から中域をカット

200hz 台から 600hz くらいまでの帯域を適宜カットします。

200hz 台はゴツゴツするのとベースの低域とぶつかる、400~500hz辺りはモッサリする、600hz辺りはベースがミドルで抜けを出したい時にぶつかる、といった感じです。

特に500hz辺りはモッサリするので結構削ることになると思いますが、やりすぎると、バッチバチのパンテラみたいなメタル系の音になります。

それもそれで全然OKですが、ジャンルと相談ですね。モコッとしたい場合は敢えて残し気味にしたりもします。

まあ基本は、ミックス段階では極端に音質を変えないようにしたいですけどね。。

高域でアタック感を調整

バスドラムの存在感を出すためには、高域でアタック感を出してやる必要があります。

高域に関しては、エレキベースの高域より上、4khz から 5khz くらいをピークに出してやると良いです。

こちらも、やりすぎるとバッチバチのパンテラみたいなメタル系の音になりますので、塩梅はジャンルと相談で。

コンプでもアタックを調整

帯域整理以外のポイントとして、コンプレッサーの使い方でもベースと棲み分けをします。

バスドラムのコンプレッサーは、アタックタイムを遅めにして、アタックをしっかり強調してあげるようにします。

EQであまりバチバチにできない場合も、これをしっかりやってあげると抜けてきますよ。

設定難しいよという方は、Waves の V-Comp で ATTACK を SLOW にしておけばOKです。

V-Series はバンドルにも入ってます。

ベースについて

ベースは基本的にバスドラムと被らないようにすることですね。

ベースに関しても下図の、私のとある曲の帯域を資料としてやっていきます。

低域のピークは 100hz 付近

バスドラムの上にベースが乗っているイメージです。

キック:下、ベース:上 ですね。

バスドラムの項にも書きましたが、バンドアンサンブルにおいてはこれがスタンダードなはずです。

100hz 台をピークとすることでベースの量感もしっかりとしてきます。

逆にエレキベースにおいては超低域はいらないので、実は 70~80hz くらいから下はカットしてしまってもOKです。

上図でも、ゆるやかにハイパスフィルターを入れています。

適度にローカットすることで、バスドラムの存在感も活きてきます。

因みにフィルターは BRA の VHL-3C が良い感じです。しかも無料。

▶【フリーVST】Black Rooster Audio VHL-3C が超使える

中域を削りすぎない

中域に関しては、バスドラムでは結構ゴッソリ削ることになりますが、ベースは削りすぎるとスカスカになってしまいます。

Sans Amp 抜けない現象がこれですね。Sans でミドルが削られた分を考慮せずに別の部分でもドンシャリ傾向で音を作った結果、ミドルがなさすぎて抜けないという。

特に、300hz ~ 400hz 辺りの中低域を削ってしまうと結構残念なことになります。

ベースがモッサリしている場合は 500hz 付近をスッキリと削るくらいにしておいたほうが得策です。

高域はバスドラムより下

ベースのジャリッとした高域の金属的な質感、カッコ良いですよね。

これは 3khz ~ 4khz 辺りで調整すると良いです。

資料だとややわかりにくいですが、3khz 台を使っています。

バスドラムのバチッとした高域は 4khz ~ 5khz で調整するので、その下ですね。

ここもバスドラムとしっかりピークを棲み分けてやることでお互いを殺さずにお互いのカッコ良い音がちゃんと聞こえてくるようになります。

コンプは均す方向

※音作りのコンプは除きます

バスドラムではアタックをしっかり出す方向でコンプレッサーのセッティングを推奨しましたが、ベースのミキシングは均す方向でのコンプ使いを推奨します。

バスドラムのアタックを活かすという点に加えて、ベースは音量差が少ない方が安定して聴こえるためです。

コンプレッサーの設定は、アタック早め、リリースは遅めかオートで良いと思います。

因みにやや裏技的な使い方ですが、ベースを均すのに DOTEC-AUDIO の Deefat が結構使えます。

▶DOTEC-AUDIO DeeFat で、難しいベースの処理が一発!【レビュー】

困った時に一瞬でいい感じする方法

色々書きましたが、とはいえどう設定すればよいのかよくわからん…という場合もあると思います。

そういう時は、プラグインのプリセットに頼ってしまいましょう。

プリセットはプロが作っていますから、プリセットを読んでからバランスを見て調整していけば概ねそれっぽくなりますよ。

では何のプリセットが良いかというと、Waves SSL 4000 Collection のEチャンネルかGチャンネルが個人的におすすめです。

CLA こと Chris Lord-Alge 氏のプリセットなんかも入っていて、ちょっと味付け濃い目ですが良い感じの処理になる場合多いです。

私も、今回参考にしたバスドラムの設定は、Waves SSL Gチャンネルの CLA プリセットをベースに作っていますよ。Shino Drums があまりにも良い感じになったのでそれを活かして詰めていった感じでした。

まとめ

今回紹介した方法は私がやっている方法です。

もちろん他にもアプローチ方法はあると思いますが、基本概念として、キックとベースでしっかり役割を棲み分けることがポイントだというのは共通して言えることだと思います。

低域の何が大事かって、ここがグチャグチャになっているとグルーヴが死んでしまいます。

曲本来のカッコよさをスポイルしないためにも、ミキシングでの低域の処理:キックとベースの棲み分けは是非意識してみてほしいと思います。

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▶ドラム音源は、フリーのShino Drumsが最高な件

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