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理想のドラムサウンドを作る手法として、ドラムリプレイサーを使ってトリガーする方法があります。生ドラムの録音データだけでなく、打ち込みドラムにおいても有効な手法なので DTMer にもオススメです。

ドラムトリガーって知ってますか?

バンド経験のある方なら、ドラムトリガーって聞いたことがないでしょうか?

バスドラムやスネアに機材を装着して、打音を検知して別の音に差し替えるという手法です。メタルの曲でツーバス連打が速すぎて生音だと1打が甘くなってしまう…なんていう時に予め作り込まれた音をトリガーしたりします。

他に変わった使い方としては音色を全く変えてしまうパターンなんかも。かつて居た The Berzerker というバンドは、バスドラムをハードコアテクノの音でトリガーしてデジタルなデスメタルやグラインドコアをプレイしていました。

参考動画をどうぞ。

このようなドラムトリガーについて、今回紹介するドラムリプレイサーを使うとプラグイン上で簡単に出来てしまうんです。

ドラムリプレイサーとは


上記の通り、ドラムトリガーをやるための装置がドラムリプレイサーです。その名の通り、ドラムをリプレイスする装置ということですね。

具体的には、ドラムリプレイサーを使う事で、トラックのトランジェントピークを検知して別の音に差し替えることが出来ます。そういう事をやるためのプラグインですね。トラックにインサートして簡単に使えます。

「録音したスネアの音が微妙」とか「ミスショットが多い」とか、そういう時に作った音に差し替えてしまうというのは、プロの現場でもよくあるらしいです。

また、録った生音を調整するだけでは狙った音作りが難しい場合などに、予め作り込んだサウンドをリプレイスしてしまうという場合もあります。メタルコアなどモダンなラウド系のサウンドではよく用いられている手法です。

生ドラムの音を作り込むのってかなり大変ですしね。

参考までに、下記のようなドラムサウンドは大体リプレイサーを使っているはずです。ちなみにこの音源はキットも売られていたりします。

こういう積極的な音作りが必要なガツッとしたサウンドを作る場合にもドラムリプレイサーが活躍するわけですね。

DTMでドラムリプレイサーは必要?

上述の通り、録音した生ドラムのサウンドを処理やミキシングの段階で差し替える、というのがドラムリプレイサーの主な使い方になってきます。

DTMer 的には殆どの場合ドラムは打ち込みになるから出番はないのでは…と思われるかも知れませんがそんなことはないです。打ち込みドラムにも積極的に使っていけます。

打ち込み用のドラム音源は予め作られた音を鳴らすことが出来る場合も多いですが、それが必ずしも理想の音とは限らないと思います。持っているドラム音源の音が、いざ曲に合わせてみると全然しっくりこない…なんていう経験もあるのではないでしょうか。

これは私の知る限りですが、例えば上記の参考動画のようなモダンなメタルコア系サウンドを手軽に鳴らせるドラム音源って殆ど選択肢がないです。

そこでリプレイサーに目を向けると面白いんです。

リプレイス用のワンショットサンプルがオンラインで売っていたりもしますし、リプレイス音源と原音を混ぜて使ったりすることも出来るので音作りの幅が格段に広がります。

というか、例えば上記のようなモダンなメタルコアサウンドを作りたいのであれば実質ドラムリプレイサーは必須なのではないかとさえ思っています。

これは生音でも打ち込みでも同じですが、元音が微妙だといくら音作りを頑張っても理想の音には近づかないですからね。DTM でもドラムリプレイサーは結構有意義だと思います。

おすすめのプラグイン

ドラムリプレイサーのプラグインにはどんな物があるのでしょうか。おすすめ…というほど選択肢もないかもですが、主要な製品を紹介したいと思います。

Addictive Trigger

ドラム音源の超定番、Addictive Drums でお馴染みの XLN Audio による製品が Addictive Trigger です。

Addictive Drums で磨かれた使いやすさそのままという感じで、操作もわかりやすくサクッとリプレイスが出来てしまいます。

予めリプレイス用の素材もある程度同梱されていて、人気の Addictive Drums のキット音がピンポイントで手に入るのも良いですね。もちろん外部のワンショットを読み込むことも出来ます。

XLN Audio Addictive Trigger
created by Rinker

Steven Slate Trigger

こちらは Steven Slate Drums でお馴染みの Slate Digital が出しているドラムリプレイサープラグインです。

Addictive Drums 対 Steven Slate Drums の関係性と似たような感じで、コンセプトも機能も Addictive Trigger と近いライバル商品といった感じ。

やはり Steven Slate Drums から厳選したと思われるリプレイス用の素材が同梱されています。汎用的な Addictive に対し、洋楽ロック的な力強い感じに強みがある Steven Slate という構図もドラム音源の関係性そのまま。

トリガー用の拡張音源は Steven Slate Trigger が充実しています。あと個人的にはトランジェント検出の調整がやりやすかったのでこちらを愛用しています。

Drumagog

やや古いソフトであるものの、業界標準的なイメージがあるのが WaveMachine Labs の Drumagog です。

一般的にトリガーが難しいハイハットのリプレイスが可能だったり、上位版限定ですが Drumagog 内にサードパーティのドラム音源を読み込んでそこから音を鳴らせたりなど、機能面に優位性があります。

上記2商品より少しだけ割高ですが拘りたければこちらを。大容量のサンプルライブラリが付属してくるのも良い感じです。

おすすめのサンプル音源

ここまでに書いた通りですが、リプレイス用のワンショットサンプルを販売しているショップもあります。

メタルコア系のみになってしまいますが、個人的なおすすめショップを紹介しておきます。好きなジャンルの音作りを研究していると思わぬ良ショップを見つけられることもあると思うので是非色々調べてみてください。

Chango Studios

上記で紹介した Memphis May Fire をはじめ、実際にそのバンドの音源に使ったと思われるワンショットキットを販売しています。Rise Record 系ど真ん中って感じですね。

Seraph Recordings

こちらも実際に作品に使っていそうなサンプルを販売しています。Chango Studio よりもややエクストリーム、アンダーグラウンドよりな感じでタイトめな音に強みがある印象。

Joey Sturgis Drums

アンプシミュレーターの Toneforge や各種プラグインエフェクトでもお馴染みの JST によるドラム専門ショップです。

ここも元々は代表がメタルコア系の有名プロデューサーですからね。説明は不要でしょう。Asking Alexandria や Chelsea Grin みたいな音が手に入ります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。書き始めた時は、こんなものもあるんですよ、位の紹介をするつもりだったのですが、いつの間にかそこそこ気合いが入っていました(笑)

ドラムってオケの中でもメチャクチャ重要なパートです。曲のクオリティを最も左右するのがドラムと言って過言ではないと思います。

ですので、出来れば妥協せずに理想のドラムサウンドを追い求めていきたいところです。そんな時にドラムリプレイサーがサポーターになってくれるのではないかと思います。

最後はメタルコアに寄ってしまいましたが、もちろんバンドサウンド以外にもリプレイサーは使っていけます。サンプルパックのビートを切り貼りして使っているときの調整なんかにも便利だと思います。逆にジャズのような繊細な表現は苦手です。

制作の引き出しとして是非、ご認識ください。

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