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DTM やインターネットによって音楽製作や公開のハードルが低くなりましたが、一方で様々な理由によってモチベーションが下がってしまい易く、続けるのが難しい時代でもあると思います。その点を掘り下げてみたいと思います。

活動のハードルは低くなったが…

DTM 関連の機材は年々充実・低価格化してきていて、プロ仕様のものから便利なものまで音楽制作に必要なものが誰でも手軽かつ豊富に買えるようになりました。

Youtube や Soundcloud などのプラットフォームを利用して誰でも気軽に作品を公開できるようになりました。Spotify などのサブスクリプションプラットフォームへの配信も個人で容易に出来るようになりました。

自宅に引きこもりながらクリエイターやアーティストとして一丁前に活動が出来る時代になりました。

うまく行けばオンライン上での音楽活動から注目を浴びてメジャーデビューしたり音楽を生業にしたりなどと、そういった事例の方もよく見かけるようになりましたね。個人がチャンスを掴みやすくなったというか。

とにかく、ここ10数年ほどで、DTM やインターネットの発展によって音楽活動の参入障壁がグッと下がったと思いますし、このような流れの中で DTMer になった方も多いのではないかと思います。かくいう私もその一人です。

しかし、だからこそ続けるのが難しい環境でもあると思うのです。これらの事情の裏を返せば様々な理由でモチベーションを失いやすいという側面もあると思うのです。

モチベーションが下がる理由

参入障壁が下がってチャンスが広がって良い事尽くめではないか?と思われるかも知れませんが、その裏に潜むモチベーション低下の要因として、以下のような事があるのではないかと考えています。

  • 技術的なハードルを高く感じやすい
  • 周りと比べやすい
  • 意見をもらいやすい

これらってインターネット時代によって情報が豊富になりすぎたこと、つまり情報過多によって引き起こされる率が上がるのではないかと思うんですよ。

各項目を詳しく見ていきたいと思います。

技術的なハードルを高く感じやすい

作曲、ミックス、録音する楽器の演奏やレコーディングなど、DTM をやる上ではいつくかの技術が使われます。

それぞれについて具体的にどういったスキルが必要なのか調べると思います。

情報を得やすいが故に、例えば、いとも簡単にプロによる専門的かつ高次元な意見が手に入ってしまったりします。

それ自体は良い事かも知れませんが、特に初心者に向けて発信しているわけでもない場合のプロの意見って、大体は素人にはチンプンカンプンな内容です。

そういった情報を(本当は理解していないのに)理解したつもりになって中途半端に鵜呑みにして結果大失敗するという事に陥りやすいですし(私もよくやります)、そもそもチンプンカンプンな内容ばかり目にしていたら技術的なハードルが高く感じられて、「やっぱ無理かも…」となりやすいと思います。

複雑な音楽理論の話とか、数十万円する実機に比べるとプラグインはクソだ、みたいな話とか…初心者のうちにこういう情報をバンバン目にしてしまうとしんどいですよね。

周りと比べやすい

こんな時代ですから、才能のある個人がバンバン出てきています。

ネットで情報を得ていると、発信プラットフォームや SNS などで、そのような才能ある個人を沢山見かけることになります。

関連項目にたまたま出てきた知らないアーティストさんや、なんとなくフォローしていて自分と近いポジションだと思っていた方が実はメッチャ凄かった…!というような事がよくあります。

実際の所は、なんとなくネットを彷徨っていて出てくるレベルの人ってもれなく凄い人なんですけれども(下積みもそれなりにあったでしょう)、個人で活動していたりフォロー関係にあったりすると身近に感じてしまいやすいと思います。

そして自分と比べて「自分このレベルじゃダメなんじゃないか…」と思わされる機会が結構多いと思います。私もよくあります。

意見をもらいやすい

反応がダイレクトすぎると言った方が良いかも知れませんが、各種再生回数や Youtube の高評価・低評価、SNS のいいね、各種コメントなど、ユーザーの反応がモロに自分に返ってくる時代、環境です。

当然ネガティブな意見も目にすることになりますし、目立ち方によってはアンチが湧くこともあります。

また、そもそも情報が溢れすぎているため、よほど凄い事をやったり何かの縁などで目立つキッカケがないと、活動していても注目すらされないということもザラにあるでしょう(私です😇)

そういった中で良い反響が得られずにいると、モチベーションはどうしても下がって来やすくなります。誰だって多かれ少なかれ承認欲求はあるでしょうしね。

つまり、活動のハードルを高く感じやすい

他にも、「まずは100曲作れ」みたいな意見とかもありますよね。

これらの事柄を総括して言えるのは、なんだかんだで活動のハードルを必要以上に高く感じてしまいやすい環境にあるという事です。

まあ、単純に受験や就職の倍率などと一緒で、参入障壁が下がって参入者が増えた分、目立つための競争が激しくなっているとも言えますが。平均レベルも上がっているでしょう。

人には誰にでも成長の段階がありますし、それぞれ目的や目標も違うでしょう。しかし得られる情報が限られていない事によって、自分と違った段階や目的の情報に惑わされてしまいやすいと言えます。

周りの基準に合わせる必要はない

ネット社会の特徴として、得やすい情報は既に色々な段階を踏んで結果を出してきた方の情報であることが多いにもかかわらず、変に身近に感じられるせいでその事がわかりにくいんですよね。

上記の通り人には誰にでも段階があるので、自分の段階を大切にして、周囲の意見や情報に流され過ぎることなくやっていくのが良いのではないかと思います。

無理に高額な機材を揃えたり高い技術や知識を身につける必要も、ないと言えばないです。(あるに越したことはないかも知れませんが)

目的に関しても然りです。プロのエンジニアを目指すわけでなければプロのエンジニアの方の発言を鵜呑みにする必要はないですし、メタルの曲を作りたければ J-POP のプロデューサーの発言を鵜呑みにするべきではないかも知れません。

それこそ再生数やいいねなどの数値が見えることによって、闇雲に数値が大きいエントリーを信じるべきだと思ってしまいがちですが、そこは冷静に、自分に合わないものは話半分にした方が良いでしょう。

また、ネガティブ意見は基本的に聞く価値がないと思います。特に音楽の良し悪しなんて好みの問題がほとんどでしょうしね。

大事なのは、楽しむこと

音を楽しむと書いて音楽です。楽しくなければ、そもそも音楽ですらないんですよ。

色々なことが便利になって活動しやすくなった反面、楽しめなくなってしまうトラップも色々と転がっています。楽しめなくなってしまうからモチベーションが下がってしまうわけです。

音楽をやりたい人って、そもそも音楽が好きで音楽が楽しいからやるのだと思います。そこは大事にしないと、やっぱりやる意味がないと思います。

家庭や仕事といったパーソナルな事情で続けられないという事もあるかも知れませんが、そうでなくてモチベーションが下がってしまうのは非常にもったいないです。

なので、DTMer の皆さんは自分と合わない情報に惑わされずに、是非「心が豊かになる音楽活動」を大事にして続けていって欲しいなと思います。

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