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こんにちは。Lostmortal@DTMブログ (@lostmortalmusic) です。

久しぶりにオーディオストックを利用してみました。審査に通りそうな無難な曲を登録してみたところ、「ノイズが混入している」とのことで審査落ち。こちらを掘り下げてみたいと思います。

オーディオストックとは

当ブログでも何度か紹介していますが、オーディオストックはストック型の音楽素材販売サイトです。

個人が作曲した BGM などを売ることが出来、また収入源となるストックを積み上げることが出来るプラットフォームとして、DTMer の界隈では話題に上がることも多いかと思います。

フリーランスの職業音楽家の方などに有用なサービスですよね。

ユーザーにとっては、商業利用や映像などコンテンツ制作用の素材として使える音楽を購入することが出来るサービスです。

私は BGM が作りたくて音楽をやっている訳では無いのでたまにしか利用していませんが、近年は Youtuber などの台頭によって BGM の需要が増えているはずなので、まだまだ伸び代のあるサービスなのかなと思っています。

オーディオストックの審査に通らない問題

オーディオストックには楽曲を登録する際に審査があります。

登録申請してから1~2週間すると審査結果が送られてきて、問題なければそのまま掲載が始まるのですが、審査に落ちる場合が結構あるんですよね。

主な審査落ちする理由としては以下になります。本記事ではこの中の「ノイズ混入」について掘り下げます。

品質が基準を満たしていない

オーディオストック側で設定している品質の基準に適合しない楽曲は問答無用で審査に落とされます😭

この基準というのは具体的な内容について公開されておらず、探りながら基準を適合させていくしかないのですが、オーディオストックというサービスの特徴を考慮すると大まかな答えは見えてきます。

オーディオストックはコンテンツ制作などに使える BGM を販売しているサービスです。

つまり、商品として販売するのをためらってしまうような低クオリティな曲や、BGM に向いていないマニアックなジャンルや攻めた感じの曲などは落とされやすいということです。

私も、スクリームを入れたハードコア系の曲は全部落ちました。笑

ルールに沿っていない

品質の基準とは別に、オーディオストックには納品データにおけるルールがあります。

具体的には以下のような感じですが、これを満たしていないとその他の内容に関わらず審査落ちします。

  • 冒頭の無音時間が0.5秒以内であること
  • 曲の残響などを最後まで収録し、途中で途切れていない(=終わりが完全に無音状態である)こと

曲始めは余白を持たせないこと、逆に曲終わりはかなりの余裕を持たせることが求められます。ループ用の曲は別途記載が必要とのこと。

この辺って普段製作をしていると、完全にこの通りになっていないことも多いと思いますし、何よりオーディオストック慣れしていないと意識するのを忘れがちになります。

しかしこの理由で審査に落とされると審査期間の1~2週間が無駄になってしまうので、オーディオストック用のデータを書き出す際は忘れずに意識したいところです。

ノイズが混入している

今回掘り下げたいテーマになります。

オーディオストックの審査はノイズにかなり厳しい印象です。微細なノイズも見逃してもらえないと考えるべきでしょう。

音楽的なノイズもあるし色々思うところはあるのですが、一般の方向けに無難な BGM を販売しているわけなので…例えばスーパーの商品棚に形の悪い野菜が乗らないのと同じような概念なのでしょう。

ノイズ混入による審査落ちの場合は、審査結果メールに具体的な内容が書かれて返ってくることが多いです。

ノイズ混入につき審査NGの真相

先日私が登録申請した際に返ってきたメールの内容は以下でした。

【ご調整いただきたい内容】
「サー」といったホワイトノイズの混入がみられるためご調整いただいた上で再登録をお願いいたします。

これは曲全体的にという事ですね。処理のミスでプチノイズが入ってしまった時などは「〇〇分〇〇秒にノイズが~」と教えてくれますので。

さて、この時申請した楽曲、ソフトシンセやサンプルパックの他、コンストラクションキット系のソフト音源をメインにして作った曲でした。どれもそこそこ高いやつ。

つまりソースとなる波形に NG となるようなノイズが混入しているとは考えにくいし、ましてや曲全体となると尚更。

…で、ああでもないこうでもないと原因を探っていったところ、原因はプラグインの設定にあることがわかりました。

プラグインの設定に要注意

プラグインエフェクトがノイズを発していることがあります。

設定が下手すぎてノイズが出てしまっている場合もあるかも知れませんが、大抵の場合は、「音楽的なノイズを付加して質感を豊かにする」目的でプラグインの機能として意図的にノイズが加えられています。

具体的な例としては、Waves のプラグインによく付いている「ANALOG」というパラメーターが代表的かも知れません。

上記は Waves の SSL G-Master Buss Compressor ですが、GUI 中央下部に「ANALOG」というボタンがありますね。これをオンにするとアナログ機材ライクなノイズが僅かに付加される仕様になっています。

Waves 以外でも、こちらは Black Rooster Audio の Magnetite になりますが、画面左下に「NOISE」という項目がありますよね。これをオンにするとやはりノイズが僅かに付加されます。

プラグイン1つくらいがノイズ付加設定になっている程度なら、人間が聴いて「ノイズが入っている」と知覚出来るレベルのノイズは出にくいのですが、大抵は1つの楽曲を作る際に多くのプラグインを挿すと思います。

それらのプラグインが軒並みノイズ付加設定になっていると、各プラグインのノイズが積もり積もって結構なノイズ量になっていたりするんですよね。

また、マキシマイザーで音圧を上げた際にノイズも一緒に持ち上がってしまったり、ということもあります。

今回私が審査 NG を食らった理由もこのようなパターンでした。

プリセットを組んだ段階で意図的にそうしていた(だからこそいつまでも原因特定に至らなかった^^;)のですけどね…オーディオストック的にはダメということです。

ノイズ付加が目的のプラグインは使えない?

例えばこちらの iZotope Vinyl は、レコードの質感を再現するための、いわばノイズ付加プラグインです。

こちらは Wavesfactory の Casetteです。カセットテープの質感を再現するプラグインで、デフォルトでテープ由来の「サー」「ザー」というノイズが付加されます。

このような類のプラグインは、オーディオストック用の楽曲には使用しない方が無難かも知れませんね。

一応、ノイズ部分を出ない設定にして使うことは出来ると思います(上記2つは可能です)が、忘れて書き出してしまって審査に落ちてその間の1~2周間を無駄にするのも勿体ないですよね。

それに加えて恐らくですがオーディオストックの品質基準にローファイな質感やディープな雰囲気は求められていないとも思うので、やはりこの類のプラグインは使わずに、雰囲気を出すよりもパキッとクリアに仕上げた方が良さそうです。

まとめ

個人的には音楽的なノイズって好きなんです。アンダーグラウンドな劣悪音質の音源の方がかえって雰囲気があってカッコよかったりするケースがそれなりにある世界を見てきましたのでね…。自分が普段作る楽曲も意図的にバキバキなハイファイにはしていません。

ノイズミュージックなんていうものもありますが…そういった「イケてる」ノイズも含めて全て NG というのは、個人の主観としては少し嫌だなと思ってしまう部分は正直あります。音楽なのに自由がないね、みたいな…。

しかし、先述した通り、オーディオストックは商業用の音楽素材を販売するサービスですから、形の悪い野菜がスーパーに並ばないのと同じで、そういったサービスの方針としては納得できますし、もし自分がオーディオストックのようなサービスを運営するとしたら同じようにしたと思います。

結論としては、オーディオストック用の楽曲を作る場合は、このような部分を考慮した上で制作に臨みましょう、という事です。

もちろん、プチノイズの混入など基本的な部分も抜かりなく。

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